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今日は「市野元彦GROUP」のライブに行ってまいりました。 市野元彦さんの事は「JAZZ GUITAR BOOK」のインタビュー記事で知りました。 「空間を大切にした〜」「ピアノの響きを意識している〜」という発言から、アラン・ホールズワースからビル・フリゼール等に至る、いわゆる”空間系”(個人的にこの呼称は好きではありませんが)と呼ばれる一連のアーティスト群に位置する志向の人なのかな、こういう志向の人が日本にも居るんだな、という部分で興味が沸き、一度そのサウンドを体感してみたいと思っていました。 取り合えず音源をという事で、かみむら泰一さんというサックス奏者の「のどの奥から生まれるかんじ」という、市野さんがサポートで参加したアルバムを購入しました。 じつは前述の記事で「Sketche's」というリーダーアルバムをリリースされているとの事で探したのですが、ご自身で立ち上げたレーベルから発売されておられるとの事で、店頭販売はほとんどされておらず、こちらの購入が先となりました。 そのサウンドはインタビューから想像した通り、”弾き放つ”感じで、独特の浮遊感を持つギターサウンドでした。 どうやってこんな音出すんだろうと、ますますライブが観たいなあという思いを強くしました。 ※「Sketche's」の方はWebサイトでも購入する事が出来る様でしたが、ライブ会場に行けば販売しているだろうと思ったので、購入せずにいました。 市野さんは複数の形態で活動されている様です。 自分としては純粋にギターサウンドが体感出来るという意味でギタートリオが聴きたかったので、市野さん名義のライブを探しましたが、なんとリーダーセッションは新宿PITINNの昼の部(!そんなのが有る事を知りませんでした)という事で、仕事に忙殺されていた昨年は全く行けず仕舞い。 そんなこんなで年が明け、昨年から携わっていたプロジェクトへの参画が今月で終結という事になり、次のプロジェクトへの参画まで時間に余裕が出来、振替休暇の消化と称して平日に休みが取れる状況になりました。 仕事をサボってライブ鑑賞って不真面目だなあとは思ったのですが、これはチャンスだなあと言う事で、思い切って行ってみました。 新宿PITINNは初めてです。 かつてはJAZZは新宿、フュージョンは六本木という暗黙の区分けがあった気がして、若い自分には新宿は敷居が高かった感がありますが、40過ぎてこうして一人で来ても気後れしなくなった事に、少々感慨深いものがあります。(歳とってずうずうしくなったという言い方もありますが) 当日は14:00開場・14:30開始だったのですが、ドアオープンは14:20頃でした。 待っている間、中からサウンドが聴こえていましたので、リハが推していた様です。 さて開場。 ドアをくぐると、ステージバックの壁面に、あの六ピと同じ「PITINN」の文字が。 懐かしさにグっときます。 古いお店のはずですが、内装は以外に綺麗です。 先日行ったアラン・ホールズワースも、かつては六ピで見ていたんだなあと思うと、JAZZ/FUSIONという根を詰めて見る類の音楽は、やはりこのくらいのハコで1ドリンクが良いなあという思いを新たにしました。 今日のチャージは1,300(1ドリンク)、こんなリーズナブルで良いのか申し訳ないくらいの素敵なお値段。 CDは想定通り販売されていましたので、早速購入しました。 今日のセットは、市野さんトリオにかみむら泰一さん・橋爪亮督さんの2本のサックスを加えた編成との事。 どんなサウンドか想像がつかないので、頭を空っぽにして望みました。 冒頭のMCで、BASSの東保光さんが病気で欠場との事で、急遽、海道雄高さん(かみむらさんグループの方の様です)に変わった事が告げられ、なんと初見で演奏されるとの事。リハが推していたのはこの為だったんですね。 この日は2ステージとの事です。さて演奏開始。 1stセット冒頭は、トリオで3曲を演奏。 やはり、というか期待通り、想像通り、音の跳ね上がりを抑えた内省的なサウンドが淡々と続く感じが実にクールで素晴らしい! 途中出てくるコードがアラン・ホールズワース風なところがあり、あっ、お好きなのかな?と思いニヤっとしてしまいました。 「ピアノの様な」と評されるサウンドは、コードを指で弾く(=各弦が同時に鳴る)事と、特に高音弦を弾く際に必ず低音弦の音を付加する事で、ピアノのハンマーが弦を叩く時のゴンという響きに似た効果が出ている様に思えましたが、特にハムバッカー(この日のギターはES-345)でここまでアタックの明瞭なサウンドを、しかも指弾きでどうやって出すのだろう…凄いです。 アンプはポリトーン、これも控えめながらも明瞭なサウンドを作るのに有効な様です。 デジタルリバーブを薄くかけておられる様ですが、会場のアンビエントと、弦の鳴りを継続させる弾き方と相俟って、どこまでが弦の響きでどこからがエフェクトの効果なのか判別出来ない程、うまいサウンドメイクでした。 ウッドベースとブラッシングによるドラムは、一見スタンダードなJAZZスタイルですが、そのフレーズは多種多様で、即興性の高い演奏でした。 1stセット4曲目からサックスのお二人が入っての演奏。 よりフリーキーな即興音楽となりました。 ループを使ったサウンドエフェクト、ボウイングによるベースサウンド、鈴などのパーカッションなど、去年拝見した近藤さんの演奏を思い出しました。 現在、日本のJAZZシーンの最前線では、こういった音風景が主流なのでしょうか。 フリージャズ、というと破壊的なイメージに捉えられるのでちょっと違うと思いますが、現代音楽に近い感じ。 かつて聴いてきた中で言えば、ジョン・ケージとか、ブライアン・イーノとか。 あとやはりクラブミュージックを通り過ぎてきた影響が伺え、この日もドラムンベースの様な倍速リズムを叩いておられました。 JAZZミュージシャンにカテゴライズされる人達の興味・感性が、JAZZという言葉では捉えきれない範囲に広がってる事を実感しました。 最後の曲は、市野さんのアルバムから「Sketche's」。 印象的なコードワークが主題となり、サックスが絡んで展開していきます。 全体的に、サックスが入るとどうしてもかみむらさんグループの楽曲の様に聴こえてしまいました。 サックスが無い場面の方が、自分が聴きたいものそのものという意味で、もっと聴きたい気がしました。 クリエーターとしての市野さんは、サックス2本というアプローチで新しい風景を構築しようとしているのでしょう。 自分はまだ、そこまで消化出来るほどに、市野さんの音楽を聴き込めていないんだと思います。 トリオも継続的な活動形態のご様子ですので、次回は純粋なトリオを是非聴いてみたいと思いました。 ここ一年くらい、鬼ころしさん・近藤秀秋さん・市野さん・もしくはToshimiセッションとか、日本の音楽の最前線の現場を目撃してきて、自分が本当に聴きたいサウンドって探せば有るんだなあという事を学びました。 |
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